肝硬変や癌などのためにお腹に水がたまることがあります。これを腹水といいます。ある程度までは内服薬で治療できますが、多すぎると薬では間に合いません。たまりすぎるとお腹が張ってきつくなったり、息苦しくなったりします。その際にはエコーでみながら気を付けてお腹に針を刺して、腹水を抜くという方法があります。これを腹水穿刺といいます。1回でおよそ3Lほどの腹水を抜きます。しかし、ただ抜くだけだと、腹水中にあるタンパク質なども一緒に抜けてしまいます。そこでその腹水をろ過濃縮して、必要なタンパクを体に戻してあげる方法があります。それが腹水ろ過濃縮再静注(CART)です。およそ10分の1程度に濃縮して体に戻します。3Lの腹水が抜けたら、300ml程度の点滴になるということです。施行には特殊な機械を使用し手間と時間がかかりますが、在宅でも可能です。腹水を抜くだけでなく、CARTを行ったほうが体には優しいので、なるべくなら在宅でもCARTを行いたいと思っています。そこで今回は、機械の操作や物品、施行手順などの確認のため、業者を交えて勉強会を行いました。
以前、病院で救急・集中治療に関わっていた時には、夜間に数名の医師で透析回路を組み立てたりしていました。回路の組み立ては結構複雑でしたが、最近は回路が簡単に組めるようになっていて、ずいぶん楽になったなと感じました。